2011年、作家・演出家の大原渉平とミュージシャンの吉見拓哉によって旗揚げ。
大きな世界とちっぽけな個人のズレ、または人間どうしの軋轢や和解といった、普遍的な(どうしても私たちの頭を悩ませる)テーマを、ひそやかな会話とエモーションの爆発が同居する戯曲と演出で紡ぎ出す。やさしいけれど挑発的、あかるいのに底の見えない作風。
近年の主な作品に、人々がひとつの真実を共有できない時代の会議劇『おろしたての魚群』(17)、沈みゆく島と住民の姿を初演・再演でまったく違うアプローチから描いた『パフ』(14・18)、近未来技術で倫理を踏み越えた家族たちの救済に迫る『セミヘブン』(21)など。
2012年「えだみつ演劇フェスティバル2012」(北九州)、2014年「王子小劇場新春ニューカマーフェス2014」(東京)に参加。2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」(東京)でオーディエンス賞受賞。同年~2017年、アトリエ劇研(京都)創造サポートカンパニー選出。
2012年よりKAIKA(京都)での創作・公演を始め、2016年よりKAIKAアソシエイトカンパニー。2021年京都芸術センターCo-programカテゴリーA採択『セミヘブン』。2023年福島県富岡演劇祭参加。
劇団しようよ、2011年4月旗揚げ。
アトリエ劇研での旗揚げ公演『めっちゃさちあれ』を皮切りに、劇団としての活動をスタートさせる。
劇作家の大原とミュージシャンの吉見で一体なにができるのか、と模索するため、半ば修行のようにはじめた路上パフォーマンス。「し(4)よう(4)よ(4)」ということで、4のつく日に路上パフォーマンスを行う。メガホンとエレキギターを鳴らしながら、これまで日本全国でパフォーマンスを行った。
半年後には、その路上パフォーマンスで培った創作方法を存分に利用した第2回公演『茶摘み』を行う。大原の実家がお茶農家であったことから、エンジン式の農業器具をアトリエ劇研で思いっきり稼働させ、チェーンソー劇団と恐れられた(という説もある)。
旗揚げ2年目。
4月、2011年より実施した「4のつく日の路上パフォーマンス」の完結公演『
11月、北九州の「えだみつ演劇フェスティバル2012」に参加。劇団として初となるツアー公演となる。〈物語性〉を重視した第3回公演『スーホの白い馬みたいに。』を、京都・北九州の2都市3会場で実施。
また、「京都国際舞台芸術祭(KYOTO EXPERIMENT)」に勝手に連動する路上パフォーマンス「SHIYOUYO EXPERIMENT」として『魔笛』を実施。エレキギターからアコースティックギターへ、メガホンからブブゼラへ、それぞれ持ち道具を変えてパフォーマンスを行った。
旗揚げ3年目。
はじめての試みとして、「期間劇団員制度」を導入。プロデュースユニットとしての体制を見直し、
8月、女性俳優のみによる〈この胸いっぱいの朗読劇〉『アンネの日記だけでは』を開催。会場・KAIKAの空間にいかにして物語を流し込むか、時代と空間、物語を見極めながら作品の上演に取り組んだ。
秋、「SHIYOUYO EXPERIMENT」2年目を実施。大原と期間劇団員による『希望的観測隊』という路上パフォーマンスを実施。
1月、初めての東京公演を実施。王子小劇場にて「新春ニューカマーフェス2014」に参加し、新キャストを迎えた『スーホの白い馬みたいに。』を上演。つづく年度末には、期間劇団員の卒業公演『パフ』を行う。
旗揚げ4年目。
劇団員として俳優3名が加入、新体制での活動を開始。
8~9月、2013年度末に初演した『パフ』再演ツアーを、東京・王子小劇場、京都・KAIKAの2会場にて実施。この公演をきっかけに、時間をかけて作品の創作を行うスタイルを志向。 秋より、2015年秋の本公演に向けた長期クリエイションを開始。10月、短編『こんな気持ちになるなんて』を発表する。
つづく11月には、同志社大学EVE祭にて『スーパーノヴァ(略称)』を実施。
3月、劇団の新機軸としてイベント公演「ハイパーお楽しみ会」を実施。過去の短編を一挙上演するほか、路上パフォーマンス『ガールズ、遠く』と『魔笛』の復活上演を行った。
旗揚げ5年目。
あごうさとし氏により新たにスタートをしたアトリエ劇研の創造サポートカンパニーに採択され、劇団しようよでは3ヵ年の実験公演プロジェクト《movement2015-2017》が始動。初年度2015年は「ままごと」の柴幸男さんの『あゆみ』を上演。
7月には第六回せんがわ劇場演劇コンクールでは、短編『こんな気持ちになるなんて』を上演し、オーディエンス賞を受賞。9月に本公演へ向けたクリエイションの一環として『ここに居たくなさ過ぎて』を発表。
11月・12月には2015年新作ツアー公演『ドナドナによろしく』を東京・武蔵野芸能劇場、京都芸術センターフリースペースにて行う。
3月、夏のオーディエンス賞受賞の記念として、せんがわ劇場にて、新作路上パフォーマンス『翼をください、マジで』を創作・発表した。
旗揚げ6年目。
旗揚げ5周年・6年目を迎えた劇団しようよは、2012年より活動の拠点の一つとしていた「KAIKA」のアソシエイトカンパニーとして、活動を始める。
4月、アトリエ劇研スプリングフェス「創造サポートカンパニーショーケース」にて、3ヵ年の実験公演プロジェクト《movement2015-2017》の2年目として取り組む、多田淳之介さん原案の『CEREMONY』ショーケースver.を上演。
6月は、2016年1月に開館した「ロームシアター京都」にて、本公演『こっちを向いて、みどり』を上演。劇団史上最大規模の公演を成功させた。
9月には、KAIKAアソシエイトカンパニー記念公演として、若手俳優とともに劇団初期の代表作を再創作した『いつまでもスーホの白い馬みたいに。』を上演。
さらに12月には、アトリエ劇研にて《movement2015-2017》vol.2、「東京デスロック」多田淳之介さん原案の『CEREMONY』を上演し、旗揚げ以来、最も立て続けに公演を行った一年となった。
旗揚げ7年目。
アトリエ劇研で行った3ヵ年の実験公演プロジェクト《movement2015-2017》。5月、その最終章として、プロジェクト初年に上演した『あゆみ』の再創作に加え、同じ柴幸男さんの作品である『TATAMI』の二本立て上演に取り組んだ。また、6月には『あゆみ』の上演で東京・こまばアゴラ劇場に初登場。アトリエ劇研で立ち上げた『あゆみ』を東京で上演。京都・東京とも、これまでの劇団の実績を超える多くのお客さんにご覧いただくことができた。
11月には『劇団しようよのスイミー』を上演。2016年度末より取り組み始めた、子ども向け演劇作品「国語の教科書シリーズ」を、昨年度創作した『劇団しようよのスーホの白い馬』に続き、2本立てで上演した。
2017年1月、20ヶ月ぶりの新作本公演『おろしたての魚群』をKAIKAで上演。劇団員と少ないゲストとともに、密度の高いクリエイションを行うことができた。
さらに2018年3月、京都・東京で上演した『あゆみ』を、北九州・枝光本町商店街アイアンシアターで上演。6年ぶりの九州公演を果たした。
旗揚げ8年目。
2016年度末より取り組み始めた「国語の教科書シリーズ」。『劇団しようよのスーホの白い馬』『劇団しようよのスイミー』に、新作『劇団しようよのごんぎつね』を加え、3本一挙上演。「風と海と月夜の3つのものがたり」と題して、大人と子どもがいっしょに観る作品の上演に取り組んだ。
また、2018年は、初の全国ツアーに挑んだ。2014年に上演した『パフ』を、完全リクリエーション。東京・九州からのゲストと、京都の俳優とともに、新しい『パフ』を発表。9月、京都・KAIKAをスタートに、10月に東京・北千住BUoY、11月に北九州・枝光本町商店街アイアンシアター、沖縄・アトリエ銘苅ベースで上演した。
旗揚げ10年目。
2016年度末より取り組み始めた「国語の教科書シリーズ」。のレオ・レオニ原作『スイミー』をついに吹田市メイシアターにて上演。
また、本公演では10周年記念公演を実施。『セミヘブン』を京都芸術センター講堂、東京下北沢小劇場楽園にて上演!主に東京の俳優を起用し、節目となる公演を行うことができた。
旗揚げ12年目。
2023年、大原の新作中編『メーフ』を、福島県富岡町・東京都仙川にて上演。そして、公演を期に仙川にて新たな拠点を設ける。劇作家・俳優・制作を広く募り、京都・仙川の2拠点体制での活動をスタート。
仙川チーム旗揚げ第一弾として、新規加入した劇作家・富沢朱夏の書く『ゆわない事にした』を仙川POSTOにて上演。京都では、大原渉平3年ぶりの新作長編『歌舞伎町ノート』をトライヤルリーディング公演として京都市東山青少年活動センターにて上演。若手の俳優と、稽古場環境のあり方を考える企画となった。