2014年版『パフ』ダイジェスト動画公開!

 

 Instagramにて #ドラゴンのイラスト 掲載中!

 

 お世話になっているみなさまから応援コメントをいただきました!

 

『パフ』全国ツアー2018座談会vol.1  全国4都市ツアーに向けて

 西村花織 × 藤村弘二×(制作部)植村純子 ×(制作部)徳泉翔平 ×(制作部)前田侑架

 

『パフ』全国ツアー2018座談会vol.2  『パフ』リクリエーションにあたって

 大原渉平 × 吉見拓哉

 

「頭を下げれば大丈夫」でインタビューしていただきました。

  川上唯 ⇒ http://www.intvw.net/kawakami_yui.html

   森岡光・夏目慎也・横山祐香里 ⇒ http://www.intvw.net/siyouyo_paff_2018.html

 

この度、『パフ』全国4都市でツアーするにあたり、

みなさんから寄せていただいたドラゴンのイラストを、順にご紹介していきます。

 

 

https://www.instagram.com/gkd444archive/

 

 

 

劇団しようよの挑戦にあたり、多くの皆様から応援のコメントをいただきました。

私たちのツアーに心を寄せてくださる皆様、本当にありがとうございます!

 

 

穴迫信一さん(ブルーエゴナク)より

 

この間、しょうちゃん(劇団の代表の大原渉平さん)と電話して、お互いの未来のことを話した。

しょうちゃんとは定期的にこういう時間を持って近況報告をし合っている。

でもそのときの電話はやけに深刻というか、かなり具体的な話になったことを覚えている。

20代から30代になる。そんな焦りやら諦めやらプライドやらが僕らには迫ってきている。

でもしょうちゃんは(おそらく僕もそうだと信じたいけど)ゆるぎなく、創作こそ人生というタイプだ。

逆に言うと創作でしか人と出会えない、分かり合えない、そういうタイプなのかもしれない。

それで僕は、そういうしょうちゃんに憧れるし、彼の〈演劇への純愛〉、その行方が気になる。

信頼のおける仲間でありながら、いつ食うか食われるかのライバルでもあって、そういう人が京都という遠くの地にいることも嬉しい。

 

ブルーエゴナク ウェブサイト:http://buru-egonaku.com

  

西井桃子さん(ツクネル tsukuneru)より

 

ーーなんで最後まで一緒にいられないんだろう。抗えない大きな何かが、パフとジャッキーを引き離していく。

…何でも、誰でも、パフとジャッキーになりうる。覚えていたいのに忘れてしまうのだ。

 

20143月初演を観た時の私の感想です。

あの時、路頭に迷っていた私を救い出してくれたのは間違いなく、紛れもなく、劇団しようよの「パフ」です。

"現実と地続きのファンタジー"という、私のツボをガツンと揺らしてくる、強くて優しい物語。

また、あの温かい世界に浸れることを嬉しく思います。楽しみです!

 

ツクネル ウェブサイト:https://tsukuneru.amebaownd.com

個人Twitter:https://twitter.com/momoko_nishii

 

御厨亮さんより

 

思えば、劇団しようよを観たのは『パフ』が初、その後、しようよの作品に初参加したのも『パフ』再演ツアーと、この作品によって僕は劇団しようよとの出会いが始まりました。夏の蒸し暑い時期に稽古場にブルーシートを敷き、多少の涼を感じながら(笑)稽古をしていたのを思い出します。『パフ』は邪気と無邪気の間にある作品だと僕は思います。だから、どうか皆さん変な邪気を持ち込まずに観ていただければと思います。大原くんの優しさが詰まったこの作品をどう観て感じていただくか楽しみです。ちなみに僕は、藤村弘二くんの役が一番、邪気と無邪気の間にあるむかつく役だとそう感じます。

 

大迫旭洋さん(不思議少年)より

 

しょうちゃんは、僕のことをピロピロと呼びます。ピロピロ、という呼び方は、しょうちゃんと大学の友達の江頭さんしかいません。だからピロピロと呼ばれると、僕はしょうちゃんと江頭さんをつい思い出してしまうのです。

しょうちゃんはイケメンです。だけど本番前のしょうちゃんは、髪がぼさぼさになって、目の下にクマをつくります。まるで全生命力を舞台にぶち込んでいるようです。

僕はしょうちゃんと一緒に作品をつくったことがないので、はっきりとは知りません。だけど、たぶん、しょうちゃんは、演劇に、作品に、周りにいる人たちに、ものすごい期待をして、その期待した分だけ、時にはすごい傷ついて、そんな感情の渦すらも、作品を作る糧にして、戦っている人だと思います。

そんなしょうちゃんが、劇団しようよのみなさんが、ついに全国を旅します。

不思議少年からは、森岡光が参戦いたします。呼んでくれてありがとう。素敵な心を持った役者です。どうぞよろしくお願いします。

劇団しようよ、初となる全国ツアー『パフ』。並々ならぬ決意と、傑作を生み出すぞという覚悟を、ひしひしと感じます。

その結晶となる公演、はっきり見届けたいと思います!

九州から応援してます!ご武運を!

 

個人Twitter:https://twitter.com/terry_osako

 

佐川大輔さん(THEATRE MOMENTS主宰、日本演出者協会国際部部長、調布市せんがわ劇場企画運営部)より

 

劇団しようよの大原君は、なんかむかつく男である。

 

まずは劇団名だ。

 

「劇団しようよ」

 

ふざけた名である。

若かりし頃に勢いでつけて、後から後悔しちゃったという匂いがプンプンする。

このちゃらい感じの名前に反して、大原君の演劇への態度はとても真摯なのだ。

そのうえ、俳優としての彼も、ありのままの立ち姿がなんだかかっこいい。

ほら、むかつく。

 

その上「劇団しようよ」という名前のくせに、あまりトレンドを追いかけず、地に足の付いた創作をしている。

時には、無謀とも思われる挑戦をしたり、野外パフォーマンスもしている。

最近の閉鎖的なナヨっとした演劇人とは違い、気骨があるのがかっこいい。

やっぱり、むかつく。

 

今回のこの文章依頼も、大して有名でもない僕に「是非、佐川さんに!」とか言ってきた。

おじさんの心をくすぐる依頼しやがって。

さらに、今回は地方からキャストを集めて公演するようだが、人を集める才能もある。

コミュ力まで全国レベルか!

 

ま、おわかりだと思うが、おじさんが若い才能に嫉妬しているだけである。

これからも京都からどんどんむかつかせてほしいし、皆さんにもぜひ注目してほしい。

そう心から願っている。

 

THEATRE MOMENTS ウェブサイト:http://moments.jp/

せんがわ劇場 ウェブサイト:http://www.sengawa-gekijo.jp

 

坂口弘樹さん(勝手にユニットBOYCOTT主宰)より

 

藤村くんとは2014年の僕の団体のお芝居に出てもらったのが最初の付き合いになります。

彼はその頃から哀愁といいますか、悲壮といいますか、言葉にするには難しいのですがそのようなオーラを持っているなぁと思いました。

何気ないタイミングでこのオーラを纏うのですね。しかし、不思議とそのオーラで作品に味をつけています。

これはもう彼の立派な武器であり、魅力であると思います。

 

劇団しようよさんの「パフ」は初演を観た事があります。

その時も彼は舞台上にありありと朧味ある存在でした。気もさることながら味がありました。日本食です。

今作ではどのようなテイストで藤村くんは世界に立っているのか、お箸を持つのが楽しみです。

 

個人Twitter:https://twitter.com/ga072q

 

北川大輔さん(前花まる学習会王子小劇場芸術監督)より

 

大原さんと初めて出会ったのは、2010年の悪い芝居さんに客演させてもらったときでした。

今でこそもう京都の若手筆頭みたいになってますが、当時の大原先生は前の劇団を一旦お休みした直後で、その小さい身体からとにかく自分の表現を世に放ちたいと希うパッションと、時代よ俺に追いつけと言わんばかりの野心が溢れ出ていました。この人は毎朝何を食べてるんだろう、と思った記憶があります。この期間中に新しい劇団の名前を「劇団しようよ」にするというのを、当時の座組の面々にもじもじしながら自信満々に言ってたのを思い出します。そしてみんなにいじり倒されてました。

その後、自分の劇団の演出助手についてもらったり、王子小劇場を何回か使ってもらったり、城崎に1ヶ月泊まり込んで創作させてもらったり、うちの劇団の俳優さんを出演させてもらったりと、付かず離れずでここまでご一緒させてもらいました。と、気づけば大原さんはそのセンスを爆発させ、時代を自らに引き寄せ、第1次スーパー大原帝国~劇弾しようよ編に突入していっているようです。そして毎回大原さんと会うたびに、そんなに小さくない(170cmオーバー)ことにびっくりします。すいません、つい嬉しくなってしまいました。

閑話休題。

大原さんの作品のセンスの良さを褒めてる人が多い印象の劇団しようよですが(もちろんそれは彼が持ち合わせていた幸運なのだと思うのですが。)私の知っている大原さんは、ここ最近の若手演出家の中でも1、2を争う努力家だと思います。試して、やってみて、振り返り、また挑戦する、という非常にシンプルでありながら誰しもができることではない真摯な創作を続けている、稀有な存在だと思っています。作品は上品ながら野蛮で、中性的なナリをしつつ、そのくせ稀に根っこにある雄々しさがふっと顔を出すような、アンビバレントで唯一無二のものになりつつあると思います。

今回のパフは、再演(東京初演)のときにも確かに劇団にとっても、大原さん彼自身にとってもターニングポイントとなる作品だったように記憶しています。満を持して全国に放たれるこの寂しくも優しい物語が、沢山の方に届きますように。

 

 

花まる学習会王子小劇場 ウェブサイト:http://www.en-geki.com

 

嶋本よしこさんより

 

パフを、4都市で公演出来るのは本当に「えーなー!」思いました。初演を観たときも、「京都だけやなくて色んなとこでやったらええのになー!」と思っていましたが、とうとう4都市ツアーも決まり海を越え沖縄でも行うというポテンシャルの高さには驚きを隠せません。

ツアー公演、大変なことも多々あるとは思いますが成功をお祈りしています。

頑張ってください!

 

個人Twitter:https://twitter.com/ksytms

 

小濱昭博さん(劇団 短距離男道ミサイル)より

 

我々劇団 短距離男道ミサイルが産声をあげて間もない、2012年冬の京都。東北と質の違う京都の冬の寒さをなめていた我々は、ハイエースに車中泊という無茶な旅程を組んだことを、凍えながら後悔していた。

 

そう、あの日。

 

我々にとって、県外での公演がまだ2回目。修学旅行以来の京都で右も左もわからないなか、「gate#8」という短編のオムニバス公演のような企画に参加させてもらった。その時紹介されたディレクター、それが、大原渉平その人だった。

甘いマスクと、アンニュイな表情、同世代の演劇人がディレクターとしてそんな企画を任されるなんて、「さぞかしクレバーな奴だろう」と、我々は思った。

なめられてはならんと、東北人の得意とする無表情で焦りをやり過ごしたが、我々は内心焦っていた。

 

そんな彼が、作品を作る。東京・九州の優秀で強烈な俳優(東北人はいない泣)と。

そんな彼が、代表作を持って旅をする。東京・京都・沖縄・北九州(東北はない泣)と。

 

同じ地方を拠点とする同世代の劇団の存在は、とても刺激的で、心のどこかで負けん気を発揮してしまう。きっと、面白い作品になるだろう。地方都市で演劇を続ける励みになるような、公演になるだろう。

 

彼らの挑戦を、ぜひ、目撃してほしい。

 

劇団 短距離男道ミサイル ウェブサイト:http://srmissile.xyz

 

坂本隆太朗さん(演出家/劇作家)より

 

劇団しようよの名前を知ったのは確か、がっかりアバターの劇団員だった葛原君に、京都でgateという試演会があるから参加してみませんか、って言ってもらった時だったと思う。しようよの大原さんがディレクターをされていて(いっぱいお金貰ってるんやろなぁ…ええなぁ…)とか思った記憶がある。がっかりアバターはgateに出る事無く、爆散、もとい、解散してしまった。でも、その頃知った、劇団しようよ、はまだ続いてる。観に行こうと思っても、爆散、もとい、解散する劇団は沢山ある。だから、今観ておかないと、いつか、爆散、もとい、解散するかもしれない。もとい、って書いてて思い出したのは三浦基さんが本に書いてた一文。「劇団運営の話はもう死ぬほどムズイから別の本にまとめなあかんレベルマジ無理死にたみ強い」みたいな言葉。もっとちゃんとした言葉で書かれてたのだけど、僕の記憶力が爆散しているのでこんなギャルのsnsみたいな言葉になってしまう。続けてる劇団は凄い。それも、地方で、関西で続けてる劇団はひときわ凄い。これは関西に住んでる僕の偏見だけど。折角おんなじ関西に住んでるんだから、それくらい言わせて欲しい。

 

 

武田暁さんより

 

四都市ツアーおめでとうございます

九州へも行けるのかな。リスみたいにちっちゃく喜んでいるのでしょうか

この3月に初めてご一緒させて貰った花織ちゃん。

お稽古開始前に花織ちゃんの出演する舞台を観に行ったら、セーラー服の女子高生役。

後で実年齢を聞いて考えた同じ歳の頃、わたしは主婦や母の役をやっていた。こ、これは時代の違いかしら?なんて自分に甘い考えにおさめていたら、同じ性別で女性ってこういうことか!と花織ちゃんお稽古場での様子を見て驚いた。

花織ちゃんは笑うとき顔(主に口元)を両手で隠して声を殆ど出さずに笑う、そして赤面している可愛いたまげた。時代の問題ではなかった。

 

あまり新しく演劇を始めたひとたちご一緒したことがなかったので最近の方たちはどんな雰囲気なのだろうと思いつつ、彼女の印象は「演劇がなくてもやって行けるよね」だった。彼女はえー!?と言うかもだけれど。

どこでも通用しそうな人柄と思慮深さ。わたし自身、演劇を過信していないひとの方が信じられる気がするので、勝手に印象を当てはめてしまったのかもしれない。

オモテには出さないけれど花織ちゃんの中で冷静にちっちゃなモーターがフル稼働して作品と自分に向き合っている。内側で何が起こっているのか知りたくなるので花織ちゃんとお稽古の帰りにお話するのが楽しかった。

 

京都以外の場所で公演したり、京都以外のひとと作品を作ったりすると「これが京都の劇団さんですか!」とか「京都の女優さんって」と言われることも多くて、都市を代表する何かを出さなきゃいけないのかしら?と思っちゃったりするかもだけど、別の都市でもわたしが感じた「いま(内側で)なにおこってる?」の花織ちゃんの魅力が作品に乗って吸引力になればいいなぁと願っている。

 

蓮行さん(劇団衛星 代表/KAIKA 芸術監督)より

 

劇団衛星代表、蓮行である。

「劇団しようよ」との関わりは割と長いのだが、出会いは私が芸術監督を務めるアートコミュニティースペース「KAIKA」で短編を上演してもらったことだったと思う。それから彼らの作品は何本か拝見したが、とにかく「暗くて禍々しい」のである。代表の大原さんの暗さと禍々しさゆえかと思う。私が青春時代を過ごした昭和の末期から21世紀初頭までは、個人の内なる「暗さと禍々しさ」を、原寸大で表現する作品はまだたくさんあったような気がするのだが、最近は少なくなったのではないかと思う。そこへ行くと「劇団しようよ」は暗くて禍々しい貴重な劇団である。わざわざお金と時間を払って暗くて禍々しいものを観にいくのか、というところは個人の嗜好の分かれるところだろうが、暗くて禍々しいもの見たさ、とでも言うべき心持ちで、行かれるのも一興かと思う。作品の紹介がちょっとハートウォーミングっぽかったりしても心配ない。どうせ暗くて禍々しいのである。

 

劇団衛星 ウェブサイト:http://www.eisei.info

KAIKA ウェブサイト:http://www.fringe-tp.net/kaika.html

 

中谷和代さん(ソノノチ)より 

 

今回の公演で、劇団初となる4都市ツアーを回られるとのことで、まだ始まっていませんがおめでとうございます!

常に新しいチャレンジを続けてこられた皆さんを尊敬しますし、ステージで繰り広げられるであろう劇団しようよの世界を、観客の一人として楽しみにしています。

ちなみに、当時私は大学の演劇部の後輩であった大原くんのことを「ジャス」というニックネームで気軽に呼んでいたのですが、ここ数年は、ずっと「大原くん」って呼んでいます。きっと何かがそうさせたのでしょう。 そしてそのことは、「パフ」の歌詞にも登場する、いつしか大人になってゆく少年ジャッキーの姿とも、どこか重なって見えます。

 

ソノノチ ウェブサイト:http://sononochi.com

 

金田一央紀さん(Hauptbahnhof)より

 

劇団しようよを初めて見たのが、『パフ』でした。

ママス&パパスの「パフ」が好きな歌だったし、あの頃京都に友達が欲しかった僕は、

丁寧にアフタートークの依頼をくれた大原くんと、その劇団しようよに興味があったからだ。

藤村くんの素朴なモノローグと痩せた筋肉質のカラダがちぐはぐだし、

急に始まる客いじりには緊張するし、

自分たちの幼さを真っ正面から受け止めてもがいてる姿が丸出しで、若かった。

あれから4年たった。

それなりに出会いと別れがあって、僕は京都を離れた。

いま、東京で芝居を作りたい気持ちを沸々させながらも、その作り方を少しずつ忘れてしまっていることに、ふと気付いた。

やばいぞ、と思う。

たぶん、『パフ』は、というか芝居そのものは、人の心をグラグラッと揺さぶるアレだ。

アレがなければ毎日はすこぶる平和で安全で安心で、退屈だ。

アレがあるから疲れるし緊張するし不安だらけだし、生きのびるために全力を出してしまう。

全力を出す人は輝く。人を魅せるパワーを発揮する。

だから、多少のぎこちなさはいいから、全力でやってほしい。

落ち着かなくていいから、あわてふためいてやってほしい。

そうしてこのいろいろある世界を、生きのびてほしい。 

 

Hauptbahnhof FBページ:https://www.facebook.com/theatre.hbf/ 

 

脇内圭介さん(飛ぶ劇場)より

 

去年の春、劇団しようよ版『TATAMI』に出演させて頂いたのだが、大原渉平君(以下、渉ちゃん)という人物は信用できる悩める変態男だったなと記憶している。

稽古中、少しでも違和感があるとすぐに発信する。「なんかちゃうねんなぁ〜こーもっと…」とにかく作品に妥協を許さない。自分の感覚を信じつつ、でも答えがみえない時は「どう思う?」と役者や演出助手と一緒に悩む時間をしっかりととる。

全員でクネクネしながら手探りで作品作りをして行く過程が、今、演劇やってるぜって感覚を強く実感できてこれはいい意味で苦しくて充実した時間だった。

そしてたまーに稽古の合間に渉ちゃんの性癖など変態な部分を包み隠さずポロっと吐いちゃうのだが、その渉ちゃんの変態さは戯曲の捉え方にも滲み出てると思う。

わかりやすい例では劇団しようよ版『あゆみ』、この柴幸男さんの名作はオリジナルや他の劇団もやはり基本女性で演じるのだが、渉ちゃんは全員男性で作る。ガタイの良い俳優やヒゲモジャの俳優もいる。

ただ、完成した作品はもしかしたら女性のみで作るよりもとてもキュートで柔らかいんじゃないかと思ってしまう。

変態な部分を演劇というツールで正当化させてしまうような、良いものだと思わせてしまえるような、そんな力が渉ちゃんにはあると思った。

後半、変態変態とばかり書いてしまったが、どれだけ変態か、『パフ』を注目して頂きたい。 

 

飛ぶ劇場 ウェブサイト:http://www.tobugeki.com/

 

ニシムラタツヤさん(演劇制作者/AfroWagen)より

 

人間、死んだら風になる。夢はかなわない。大富豪にもなれない。嫁も子どもも舅姑も言うことを聞かない。そんな小さな、だけど圧倒的な現実の前に、演劇はどこまでも無力だ。地震や水害の1つも止めることができないのだ、好きでやってるだけですよねあなた、とある種の諦めを帯びた了解のもとで認知される。世間ではそういうことになっている。

そう、「馴れ」ている。ある程度の期間、演劇をつくる現場に関わっていても、そのことに気付かないまま過ぎてしまうことがある。だから上演を重ねる中で、お客様に向き合うと同時に作り手は静かに抗(あらが)おうとする。それが誠実な態度だと思うのだ。劇団しようよ「パフ」が、初演で触れたことのなかった人形劇の手法を取り入れ、しかも再演で4都市を回る旅公演に打って出るということは、いつの間にか出来てしまった、あるいは自らが作ってしまった「境界(boeder)」を乗り越えるために選んだことだと思う。そこに圧倒的な現実に向き合う誠実さを感じる。いや、猛虎魂を感じると言ったほうがいいのか京都だから。飛んで飛ばされて砕け散るまで、劇団しようよの旅は続く。

 

AfroWagen ウェブサイト:http://www.afrowagen.net/wpr

 

キタさん(than)より

 

痩せっぽちで目つきが悪く猫背ガニ股ですれ違うものを睨みつける。まるでナイフのような彼が、ある日やさしい顔で猫を撫でている、お年寄りの手を引いて横断歩道を渡っている、そんな姿を見かける。

音楽を通じて知り合った吉見拓哉を劇団しようよで見た時に、こんな印象を持ちました。まあ、ずっるいなあー、って感じです。

そんな彼と、彼をそんな風に投影する劇団しようよを是非一度いろんな方に観て欲しいなと思っています。 

 

than ウェブサイト:http://than-web.com

 

泊篤志さん(飛ぶ劇場)より

 

先日、劇団しようよ版『あゆみ』にちょっぴり出演させてもらい、短い時間だけど一緒に 作品作りに関わらせてもらって。ただでさえ時間が無いのにギリギリまでどういう演出に しようか悩んでる演出:大原くんの様子を自分は半分「大丈夫か?」と思いつつ、半分は楽しんで眺めていた。演出のイメージと実際と観客とをどう繋ぐのか、やっては壊し、さらに組み立て、ってやってて。「演劇」というオモチャで必死に遊びまくっていた演出:大原くん。『パフ』は自分も好きなあの名曲をモチーフに作るファンタジーらしく、今度 はどんなオモチャを組み立てて来るのか楽しみにしている。

 

 飛ぶ劇場 ウェブサイト:http://www.tobugeki.com/

 

藤原大介さん(劇団飛び道具)より

 

京都から出て行って他所でやる人たちには上手いことやってもらいたいものですが、私の知っている劇団しようよの人たちはお人好しばかりなので、損をしそうで心配だ。なんとかツアーを成功させて、次にはさらに大きなツアーを企画して、ぜひ私も出演させていただきたい。そしてどこかそこそこ遠いところへ連れて行ってもらいたい。国内でいいから。沖縄とか北九州とか羨ましい。行きたい。そして安くていい感じのお店を見つけてゆっくりしたい。公演がんばってください。 

 

劇団飛び道具 Twitter:https://twitter.com/geki_tobidougu

 

稲荷さん(十中連合)より

 

劇団しようよは、旗揚げ公演からしばらく舞台監督として関わっていました。

当時私は駆け出しで、毎回勉強の連続でした。例えば劇場で茶刈り機を使いたいと言われて劇場さんと沢山相談したり、劇場の窓の遮光を外して信号機の灯りを使ったり、ハンバーグを焼いたり、スイカを割ったり…。

劇団しようよの作品は『パフ』が一つの転換点だと思っています。それまでは大原君の胸の内を吐露する、大原君のような登場人物がいるような風に私には見えていました。(それが切実で胸を何度胸を打たれたか…。)しかし『パフ』を境に他者を描くようになったと思っています。他者の心を慮るような。"自分の中を顧みること"から"自分の知らないものを想像する"作品に変わっていったように思うのです。

そんな劇団しようよが、次は全国各地の俳優と再々演する。再演ツアーの時とは社会情勢も違うでしょう。きっとリビルドすることになると思います。この数年間で大原君の考えてきたこと、劇団しようよの変化が大いに反映されること間違いなしです。私も一観客として楽しみにしています。(実は再々演ツアーの企画を聞いた時から楽しみだったけどね!) 

 

十中連合 ウェブサイト:http://juttyuurengou.wixsite.com/home 

 

大石達起さん(IN SITU)より

 

大原さんの作風は、これまでの作品では少年の目から見た”世界の残酷さ”のようだったと思っています。しかし、前回の『おろしたての魚群』を観て新しいステージに進んだように感じました。世知辛さというか、大人のビターさのような。『魚群』と由良町滞在を経てブラッシュアップされたパフは、いったいどのような物語が描かれるのでしょうか。とても楽しみです!(追伸:大原さん、アカモクおいしくいただきました。) 

 

個人Twitter:https://twitter.com/delioishi

 

3週間で作品を創る

 

— 現在、本番5日前。どうですか、現在の心境は?

 

大原:3週間で作品を創るのは思った以上にハードですね…。

 

吉見:ははは。

 

— いきなりネガティブじゃないですか…。

 

吉見:昨日の通しで、鼻くそほどもおれの弾く曲決まってへんなあと思ってたら、その後スタッフさんに渉平が「吉見は3割くらいしか決まってない」と言うてて、割合(の認識)は一緒くらいやったな、と。

 

大原:ははは…。

 

吉見:一言もそんな話してなかったけど、意思疎通はできてた。

 

大原:なるほどね。

 

吉見:そんな感じすわ。

 

— ここから5日間でどう粘りを見せていくかってことですね。

 

吉見:まあおれは大丈夫やろう。言うていつもそんな感じやし。

 

大原:3週間で作品を創るのは、初めてくらいじゃないかな。短編を創る時もなんだかんだで1ヶ月くらいは稽古するし。これだけ高密度で作品を創るのは初めてな気がする…。

 

— 大原渉平史上最短?

 

大原:そんな気がする。もちろん、稽古期間は短いんですけど、その分密度が高いから集中できるな、という面もあるけれど…。

 

吉見:ああそうやな。(これまでの稽古場は、作品が)もっと色々決まってる状態におれが来て…ちゅうのが多かったから。何も決まってへん状態におれもおる言うのが、今回多い気がする。

 

大原:(いつもは)「出来上がったシーンあるんで、じゃあ吉見くんどうぞ」みたいな感じが多いけど。今回はシーンの立ち上がりも見てもらってるから。そういうところから吉見くんのアイデアがどんどん出てくるのはいいことかな、という気はするけどね。

 

— もともと、こんなに一からクリエイションし直すはずではなかったわけですよね。

 

大原:一応、4年前に『パフ』を創って、その台本もあったわけやし…。美術とかは全然変わるやろうと思ってたけど、リクリエーションと言いつつ、ほぼ新作になるとは誰も思ってなかったな…。

 

吉見:ははは。

 

大原:今回は九州からの俳優さん2人と、東京からの俳優さんと、京都の劇団しようよとキャミー(川上さん)、というメンバーで創っていて。その人たちを拘束できる期間の上限も確かにあったけど。新作を創ると思って、この企画を立ち上げてなかったので、そういう意味では、3週間という時間はだいぶハードで集中力がいるなと感じています。

 

 

 

なぜ『パフ』をもう一度やろうと思ったか

 

— そもそも、どうして『パフ』をもう一度やろうと思ったんですか?

 

大原:4年前に京都の人間座スタジオで初演したんです。それで、これはさらに面白い作品になるだろうという直感があったので、そこから半年以内に東京・京都という再演ツアーをやったじゃないですか。

 

吉見:ああ、やったな。

 

大原:それが、お盆の時期に東京でやっちゃって、お客さんが全然入らなかった…(笑)。

 

吉見:ああ、そうか。そんなに入らんかったか。

 

大原:入らなかったねえ。でも当時の『パフ』は、劇団しようよとしても、初めてある意味で「形」になったというか、社会の問題と自分たちの創作がどう関係するか、を初めて考えられた公演だった。だからもっとたくさんの人に観てもらいたいと思ったし。

 

吉見:うん。

 

大原:作品の基になっている、ピーター・ポール&マリーの「パフ」という曲が、少年と竜の話を歌ってるじゃないですか。だから初演は、怪獣要素が強かったんです。怪獣が島を襲う話。話は逸れるんだけど、2014年はアメリカ版ゴジラ(映画『GODZILLA ゴジラ』)が公開された年で、どうも聞くところによると4年後に映画の続編があるらしい、と。じゃあ、『パフ』も再演するなら4年後かな…と思ってて。2018年に『パフ』を再演するのは、僕の中では4年前から決定事項やった。結局、『ゴジラ』の続編は来年(2019年)公開なんですけど。

 

吉見:ずれたな。

 

大原:いずれにせよ、もっとたくさんの人に観てもらうために、再演はいつかしたかった感じですね。

 

—『パフ』をもう一回やるって聞いた時の、吉見さんの印象はどうでしたか。

 

吉見:特に何も (笑)。『スーホの白い馬みたいに。』も再演してるし。

 

大原:最近再演多いしね。

 

吉見:『あゆみ』(原作:柴幸男さん)も何回も上演さしてもうてるし、その流れで「ああ、『パフ』もまたやるんやな」みたいな。ここまで新しいもんになるとは思ってなかったけど。

 

大原:吉見くん的には、劇団しようよで何を上演するって言われるのがテンション上がるの?再演するとか新作するとか、古典やるとか。何かあるの、そういうのは?

 

吉見:…ない。(笑)

 

大原:来たものを粛々とやる?

 

吉見:歳くうてきてだんだんそうなってきた気がする。「これ楽しみでしゃあない」みたいな気持ちではあんまやれんようなってきた。与えられたもんを、どうやって自分の範疇を超えんように、けどギリギリまでどれだけ詰めれるか、みたいなことを思ってやってる。

 

— 劇団旗揚げ当初の方が、そういう「何をするか」をモチベーションにする意識が強かったですか?

 

吉見:旗揚げの時は、そうやったな…。ちょうどライブもあんま出来てない時期で、音楽やれる場ができたと思って、変なテンションではあった。

 

大原:音楽からの引用が多かったな。『ガールズ、遠く』(路上パフォーマンス作品)を創った時に、ロックバンドの「KING BROTHERS」とか…。

 

吉見:そうね。

 

大原:『茶摘み』の時には「こういう曲あるで」とか。引用が多かった。で、今回の作品もたくさん引用してくれてる印象ですね。今回は吉見くんが稽古場にいてくれる日が多くて。稽古場でどれだけ時間を過ごしてくれてるかで、吉見くんの文脈から引っ張ってこれるパーセンテージが増えるんかなと思った。

  

吉見:それはあるんかもしれんな。

 

大原:2〜3年前は、ある程度形になってから、「吉見くん、曲つけて」みたいなスタイルが多かったから、そういう意味では、吉見くんとしては雇われ感があったと思うけど。ここまで作品の芽が出るところから一緒にやると、アプローチが変わってくるな、というのを感じる。

 

吉見:確かにせやな…。やってて思ったけど、使えるんちゃうか思ってストックしてた曲よりも、その場でなんとなく合わせたやつの方が合うから、(用意してた曲は)割とボツになっとる。

 

大原:ああ…。

 

— 吉見さんが「今回はシンプルに、演劇の音楽を担当する感じ」だとおっしゃっていましたが、音楽を付ける、演奏することについて、やはり初演とは印象が違うんでしょうか?

 

吉見:初演は、おれ自身に役が与えられてたこともあって、ライブハウスでいつも弾き語りしてる時のテンションと変わらずにやれてた印象があったけど。割と歌も歌ってたし。今回は何ちゅうか、自分の曲をこっからここまで弾きます、という感じやなくて、フレーズでシーンの意図を方向づける、というやり方が多いと思う。より寄り添ってやる感じ。

 

大原:これまでの劇団しようよは、セリフそのものを聞かせるとか、そのキャラクターを見せるようなお芝居が多かったけど、前回本公演の『おろしたての魚群』くらいから僕も価値観が変わってきて。今回の『パフ』もそうだけど、セリフそのものというよりも、やり取りがなされている状況の歪さや気持ち悪さだったり、セリフが発せられてる時の「その他の部分」を見せるお芝居になってきてる。だから、吉見くんの曲も変化せざるを得ないところはあるんやろうなと思う。

 

吉見:せやな。

 

大原:なんか、今回の吉見くんの出方は、概念に近い…。「老い」とか「歪さ」に寄り添ってもらう…そういう攻め方になってるんちゃうかな。

 

吉見:まあ3割しか決まってへんけど。(笑)

 

 

 

ここまで変化した『パフ』

 

— もう一度、台本のことをお聞きしたいんですけど。今回、どうしてここまで変化することになったんでしょう?当初は、これほど変わるとは思ってなかったわけですよね…。

 

大原:そうですね。いやあ変わったなあ…。でも、単純に演劇の創り手として、演劇の大事な部分というか、自分にとっての「演劇とはこういうものである」というのが、このごろ自分の中ですごいスピードで変わっていってて。自分が演劇で見たいもの、自分が信じてるものが、4年前に『パフ』を創った時とは全然違うな、と思う。今回の『パフ』も会話劇になったけれども、舞台上に人の存在を感じるとか、上演開始から上演終了に向けてどういう風に人に負荷がかかるとか疲労が蓄積されていくとか、そういうことがすごく見たいし。

 

吉見:うん。

 

大原:そこに人間の美しさと儚さとどうしようもなさが見え隠れするところに魅力を感じる。それで現代口語を利用して会話をするということにすごく今、関心がある。

 

吉見:そうやな。

 

大原:で。その発想では初演の台本をやれなかったという消極的な判断が一つと。

 

吉見:うん。

 

大原:吉見くんのさっきの、音楽を合わせる話にも重なるけど。自分のストックしてきたものと、創り手が集まって稽古場で何を創るかを考えた時に、そこで面白いと思えるものが一致しないことってすごくたくさんあるやんか。それが今回の僕は大きくて。

 

吉見:ああ…。

 

大原:7月にプレ稽古をした時に、初演の台本を読んだりしたけど、「これをこの座組みで創れんことはないんやろうけど、創れても面白くないやろうな」と思った。

 

吉見:なるほどなあ。

 

大原:だから、すごいシンプルで単純なことを言うけど、自分が一番面白いと思えるものを創ろうとした時に、書き換えるしかなかった、というところはあるのかな。

 

吉見:何かわからんけど、曲つけにくくなった。

 

大原:そうやね。

 

吉見:つけにくくなった理由は、『魚群』以前・『魚群』以降で考えたとき……まあ俺は『魚群』以降では今回初めての参加やけど。『魚群』以前の作品は、年表とか、長い時間のダイジェストみたいな感じやった気がする。

 

大原:ああ、わかるわかる…。

 

吉見:今、もっとすげぇミクロな感じの視点になってるから、一個一個のセリフで感情がずれるし。だからずっと同じ曲鳴らしてると、曲はずっと同じ感情の色してるけど、一シーンの中で(登場人物の)感情はずれていく、やから合わへん、みたいな。それが初演と今回の違いな気がする、おれは。

 

大原:前は結構、音楽で説明をつけてたもんね。

 

吉見:それができやすい、年表感みたいなもんがあった。

 

大原:そこに僕自身、今、関心がないんやと思う。

 

吉見:なるほどなあ。

 

— プレ稽古が終わってから、脚本が本当に大きく変わったんですよね。

 

吉見:(初演と違って)子どもが出てこん (笑)。

 

大原:宣伝文にも書いてるように、「老い」っていうのがキーワードになった台本になってるじゃないですか。それは多分、自分も老いてきてる…。

 

吉見:ははは。

 

大原:まだ29やのに、老いてきてるとか言いたくないけど (笑)。自分の中でできることできないことが見えてきてるし、自分の家族にもできることできないことが見えてきてるし。当たり前やけど、時間が過ぎていってることを日々実感するのが、作品を書くのに影響したな。

 

吉見:渉平ん家に小屋入りで泊まる時に、寝る前に二人で喋るのが、だいたい健康の話… (笑)。

 

大原:あと去年(2017年)まで、アトリエ劇研で3ヶ年の「創造サポートカンパニー」として活動していて。そこで、柴幸男さんが書かれて、2015年に杉原邦生さんが横浜で上演された『TATAMI』を演出したというのはすごく大きい。抽象的な世界観の話だけど、開演から終演までずっと地続きの会話劇で。あの時に会話劇の面白さがわかったのもあるし。『TATAMI』そのものが老いの話だったので、今から振り返ると、『TATAMI』がすごく大きい要素として今回の『パフ』に繋がってるんだなって今思ってる。

 

吉見:そうやな。

 

大原:あの時に、俳優さんと相談して創るのが楽しい、というのが、演劇人生14年目にして初めてわかった。

 

吉見:ははは。

 

大原:あの時は、飛ぶ劇場の脇内(圭介)くんと、ニットキャップシアター/ベビー・ピーの門脇(俊輔)さんと、劇団飛び道具の藤原(大介)さんと、劇団衛星/ユニット美人の紙本(明子)さんの4人に出てもらって。皆さんすごく達者な方だったので、「僕、このTATAMIをどうやって立ち上げたらいいかわからないんです、どうぞ」って俳優さんに渡すと、そこで俳優さんが色々話を膨らませてくれるんだなって。稽古場でのクリエイションが楽しいって、正直、初めて思ったので、その感覚を信じて作品を創っていきたいなというところが『魚群』につながり、『パフ』につながり…という感じだったと思います。

 

 

 

大原と吉見の変化

 

— 大原さんは、現代美術(出身)じゃないですか。大原さんの創り方は美術に近いんじゃないかという印象があって…色々なものを材料として捉えている感じがずっとあったんですが、それが、ここ最近で劇的に変わっている感じなんでしょうか。俳優さんもひとつの材料ではあるけれど、これまで以上に個々人の表現を取り入れながら作品を創っていくような。

 

大原:どうやら僕はそっち側の演出家なんかな、と思います。自分の中でバチっと筋を決めて、そこから逸れたら「それ、やめてください」って俳優さんに言うようなことはしない。俳優さんが今ムズムズしてるのは何かな、と気になったりするタイプなんかな…。あと、最近横山(祐香里)さんがツイッターで「大原くんは油絵を描くように演劇を創る」って呟いてたけど。確かに、ベタベタベタベタ、セリフ一個一個を切ったり貼ったりしてるから…。俳優さんはやりにくいだろうなと思いつつ。

 

吉見:ははは。

 

大原:素材としての俳優さんていうものと、ちゃんと向き合いたい、と思ってるのかもしれない。

 

吉見:向き合ってなかったんかい (笑)。

 

大原:いや、向き合ってなかったと思うこれまでは。

 

吉見:なるほどなあ。

 

大原:だから、旗揚げ2年目に創った、2012年の『スーホの白い馬みたいに。』は大変やったから。

 

吉見:大変やったな。

 

大原:コメディ劇団から前衛的なお芝居に出てる人まで、うわーって出てもらって、十何人で創ったお芝居で。一個の舞台に乗っけるのがこんなに大変なのか、と思った。でも、それがなんで大変やったかって言うと、俳優さんの素材を見てなかったからというのがあったと思いますね。

 

吉見:なるほどな。

 

大原:6年経って、ちょっとそれができるようになってきた。

 

吉見:そうやな。おれも渉平も大人になりだしたっていうやつで。おれも、ロックンロールやぞ、っていう「我」みたいなんが今回は自然と薄れてる気がする。

 

大原:それがなくても作品が成立させられるんやっていう自信も同時にできたんじゃないかな。

 

吉見:そうか、そういうことか。そういうとこもあるかもしれん。

 

大原:言いたいことは言うんじゃなくて伝えるもんや、みたいな。僕、昔の台本は言いたいテーマを全部書いてたしな…。

 

吉見:おれも、殺す気でギター弾かんと何も伝わらんと思ってたんが、ちょっと薄れてるとこはある。

 

大原:そういう変化はあるかもしれないですね。

 

— 吉見さん個人の活動では、ここ数年、バンド活動(「吉見拓哉とつゆ知らず」)が活発ですよね。そちらの活動が、自分自身の変化に影響を与えてるところはあるんでしょうか?

 

吉見:ああ、あるかもしれん。ソロ活動は自分一人で成り立たせる方法しか考えんでもやれるけど、バンド活動は…バンドって言うてもドラムしかおらんけど、2人で、ドラムとボーカル・エレキギターでの成り立たせ方になる。1人じゃ出来んことが出来るようになるのは勿論やけど、逆に俺1人やったら成り立つけど、2人でやったら成り立たんみたいな曲もあって、2人で成り立たせるための方法論も考えたりするから。「おれがこうしたい」だけとは違うとこも考えなあかん、みたいなんはバンドで培ってるとこもあるかもしれん。

 

大原:バンドをちゃんとやってるから、吉見くんを演劇のフィールドに引っ張って来た時に、他ジャンルの人が越境してきたのを感じやすくなった。初期の頃は劇団員という枠の中で作ってたからわからんこともたくさんあったけど、たとえば「音楽の人やからこういう伝え方にしよう」とか、他ジャンルとしてのコミュニケーションをしやすくなってきて。多分、吉見くんがバンドやミュージシャンとしての方面で軸が固まってきてるのもあるかな。

 

— 昔とは実感がぜんぜん違うわけですよね。作品を創ったり、パフォーマンスしたりすることに関して。

 

吉見:そうね。

 

大原:一番は、自分のことを好きじゃなくなったのがでかい。

 

吉見:ああ。

 

大原:今、僕は自分のこと好きじゃないですね…。昔は、まだ、自分が美しいとかかっこいいとか(思われようとすること)に縛られてたし、よく見えたいということに囚われてたけど、今それがなくなって、人生楽になってきて。それが創作でも、観客の方をある意味では向かなくても、いい格好しなくても伝えられることがたくさんあるな、と。

 

吉見:30歳目前、30歳超えてくると「我」が薄れて楽になるでって、いろいろな人に言われたけど…。

 

大原:それを、身をもって体験してる気がするなあ。

 

吉見:せやなあ。

 

大原:でも『魚群』の時、これまでの劇団しようよとは全然創り方が変わったから、もしかして今までの作品が好きやった人にはがっかりされるかなと思ったけど、むしろ逆だった印象がありました。「大原さんには世界がこう見えてるんだって、一番クリアにわかった」っていうようなことを色々な人に言われた。

 

吉見:ああ…。

 

大原:だから、自分の言葉とか自分が美しいと思っていることを一番前面のレイヤーに描かなくても、ちゃんと滲み出るものでオリジナリティを出せたり、きちんと伝えられたりするんだなっていう…。自信、じゃないけど…。

 

吉見:クリアに見えた結果、(作品を観て)「気持ち悪っ」って思ったけどな (笑)。

 

大原:そうやねん。

 

吉見:ははは。

 

大原:『魚群』の時もすごく正直に創ったし。やっぱり今までは人の目を気にしてた。

 

吉見:ああ、ええ格好してたんやな。

 

大原:ええ格好してた。そう。みんなに気持ち良くなって欲しかったし。

 

吉見:ああ…。なるほどな。

 

大原:でも、そういうことは今、僕も求めてないし、たぶん社会も求めてない。むしろ、人はどこかで気持ち悪いものを見たい心があったりするなって。見たくないものを捨てたかったり、見ないふりしてるような側面にも興味あるかもしれない。

 

吉見:そういえばバンドやってても、(ステージに)すっと出て、すっと帰るようになったわ。悪い意味やなく、あんまMC(曲間に喋ること)もせず。何か残そう、言うて全力で格好つけて何か引きずりながら帰るんやなく、すっとやれることだけやって、すっとステージを降りる。

 

 

 

 

 

今回のツアーについて

 

— 今回、出演者が各地から集まってるわけじゃないですか。

 

大原:こんな機会はなかなか作れへんから、貴重な時間やと思いますね。

 

— 最初から、日本各地から出演者を集めようという思いがあったんですか?

 

大原:そう。初演の『パフ』は、ある島が噴火によって無くなって、故郷に帰れないという話だった。だから故郷に帰りたいというテーマの作品だったから、それぞれ故郷というバックボーンが違う人と一緒に創ったらおもしろいんじゃないかって。…と言いつつ、京都でお芝居やってても、色々な都道府県出身の人たちと出会うから、そういう意味では、同じ地域の人でもバックボーンは違ったりするんだけど。

 

吉見:うん。

 

大原:単純に九州の俳優さんが持っている俳優としてのボキャブラリー、東京の俳優さんのボキャブラリーに触れて作品を創りたかったというのもあった。

 

吉見:うん。

 

大原:背景が異なるものをミックスしたときに、劇団しようよの大原も藤村も西村も、そして吉見くんも、きっと変化が起こるやろうなって、そういう化学変化を楽しみにしてたので。色々な地域の人を混ぜこぜにしたいというのは、特に今回の『パフ』では初めからあったと思いますね。

 

— 劇団しようよが4都市に行くのは初めてですよね。

 

大原:そうです。東京や北九州は行ったことあるけど、沖縄は初めてだし。

 

吉見:せやなあ。

 

大原:さっき喋ってたこともそうやけど、色々な我や欲が剥がれていって、表現するということにシンプルになっていってると思う。音楽を弾くとか、劇を創作するということにシンプルになっていって、観客との向かい方もシンプルになっていってる気がしてて。

 

吉見:うん。

 

大原:『魚群』以前は、お客さんに嫌われたらどうしようって無茶苦茶怖かったから。劇場入りや幕を開けることがすごく恐怖やったんですよ。不安で、ナーバスで。でも『魚群』くらいから、これお客さんどう受け取るんやろ、うふふ…みたいな。受け取り方はいろいろだっていうことを、楽しめるとまでは言えへんけど、そこに余裕を持てる気持ちがちょっとあって。今回もそれに近いんじゃないかな。そもそも演劇を始めた頃にあった、お客さんはどう受け取ってくれるやろうか…という、シンプルに表現をするときの気持ちに戻れてるような気もするし。しかも今回、新しい場所の新しいお客さんに出会えることは、今自分たちがシンプルになっていってることに近い気がするというか。

 

吉見:うん。

 

大原:本当の意味で、新しい言葉をもらえるのが楽しみだなあというのがあるんです僕は。

 

吉見:なるほどな。

 

大原:色々な地域の色々な創り手もそうだし、観客もそうだし、出会っていきたいと思います。

 

 

 

新生『パフ』、音楽の聴きどころ

 

— では吉見さん、今回の聴きどころを教えてください。

 

吉見:聴きどころ…?(笑)。

 

大原:まだ3割しか決まってないと言いつつ、吉見くんの作業進捗のイメージとしては、「上演台本は1ページしかないけどとりあえず台本は100ページくらい書いた」みたいな感じじゃない?素材はたくさん創ってるから。これからどう聴きどころをつくるか、ってことじゃない?

 

吉見:せやな。今あえて言うたら…鳴ってんのか鳴ってへんのかわからんような曲の入り方をすることが多い気がするから、そこに気ぃ付いて欲しい気はする。曲弾きはった…という印象にはならんように、でもシーンの方向を強めるみたいなことをしとるので、そこを聴いてほしいとは思います。

 

大原:これまでのしようよでの吉見くんの弾き方を知ってる人は、そのアプローチの違いにね、耳を傾けてもらえたらいいかな。

 

吉見:そうやな。俺だ俺だ俺だ俺だ、ってやってたんが、今までで一番薄れてる思うので。薄れてるから手ぇ抜いてるわけやないっちゅうのを聴いてほしい気がします。

 

大原:でも僕が、こっそり思ってるのは、これからの5日間で、もうちょっと俺だ俺だ俺だ感を引っ張ってくるんじゃないかなと…。

 

吉見:どうせ出るか…(笑)。

 

大原:そこの風合いを楽しんでもらえたら。

 

— ありがとうございます。再演ですけど、劇団として完全に新境地ですね。

 

吉見:再演やないわ、嘘や。

 

大原:嘘じゃない (笑)。リクリエーションって言ってるからね。創り直した感じやね。

 

吉見:お楽しみにしてください。

 

大原:よろしくお願いします。

 

 

 

<2018年9月22日 KAIKAにて>

(撮影:脇田友)

 

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ツアーに向けての期待と不安

 

植村:ツアーに向けての期待と不安から、聞いていきましょうか。こういうとこを楽しみにしてるとか、こういうことが不安なんだよとか。

 

西村:劇団しようよは何年ぶりにツアーするんだっけ?前回の『パフ』以来?あ、『ドナドナ』もか。

 

植村:昨年に『あゆみ』もあるけど。花織さんが行くのは『ドナドナ』以来か…。

 

西村:なるほどな。久しぶり。

 

藤村:三年ぶりですか。

 

西村:私はそんなに京都の外で芝居をしてなかったのか、と。

 

植村:前回の『魚群』の時のインタビューで、花織さんはいろんな地域に行って公演することが(劇団しようよに)入団した動機だったって、言ってたもんね。

 

西村:そう。今回嬉しいのが、やっと北九州に行けるんですよ。入団した時から九州で公演したいと言い続けて来たから。やっと九州に行ける!

 

前田:この前の『あゆみ』は行ってないですもんね。

 

西村:(『あゆみ』は)出てなかったから。やっと自分の地元の佐賀に近いところで公演できる。…まあ佐賀と北九州は実際は結構距離も離れていますけど、あまり頑張らずに友達とか家族にも観に来てもらえるし。

 

植村:そりゃ京都でやるよりはねえ。

 

西村:そうなんですよ。私はそれがなにより楽しみですね。

 

藤村:僕も「ツアー」は久しぶりですね。北九州は今年(3月)行ったんですけど、北九州単発だったので、ツアーという感じでもなく…。(京都・東京の)『あゆみ』は僕も出てないので、東京は『ドナドナ』以来ですね。

 

植村:そっか。どこかの土地に単発で行ったらツアーって感じじゃないのか。

 

藤村:ツアーって…何なんですかね…?

 

植村:『あゆみ』北九州だけだったとしても、旅公演であることには変わりはないとは思うけど。

 

藤村:なんか「遠征」という感じがして、「ツアー」とはちょっと違うのかなと。

 

植村:そういう意味では今回4都市も回るけど、これはすごく「ツアー」やね。さすがに、あんまりないことだからね。

 

藤村:そうですね。

 

徳泉:しかも沖縄を含めているという。(沖縄に行くのは)劇団(独自主催の公演)ではあまりないんじゃないですか。

 

植村:沖縄でそんな風に受け入れてくれる劇場がこれまでなかったからじゃないかな。…そう、いろんなところでこの公演についてしゃべっている時、沖縄を含めていることをよく特別視されるんだけど、私の中では全然それはなくてですね。4都市のツアーであることはすごいことだと思うし、実際、大変だとは思うけど。(私の経験上)2都市までは大丈夫なんよ。3箇所目からはしんどくなってくる。だから、連続で4都市行くのは絶対やめた方がいいって思って。間を空けて2都市+2都市にすれば大丈夫かなと。

 

藤村:それで、間の3週間があるんですね。

 

植村:4都市を連続でやった場合、公演1都市め(の時期)は4都市めのちょうど1ヶ月前ということになっちゃうでしょ。そんなん、絶対無理だから…(笑)。

 

藤村:1ヶ月丸々公演しっぱなしですね。

 

植村:(1都市めやってる時期)そこから4都市めの宣伝や準備が佳境に入る、とかって大変すぎるからね。

 

徳泉:そうですね…。

 

植村:なので、「4都市ツアーをする」ということの特別感はあるんだけど、(その一会場が)沖縄であるっていうのは、私の中ではあんまり大きなことには考えてなくて。東京や北九州は行ったことがあるし、(沖縄は初めてなので)知らない土地でお客さんに来てもらえるのかということだったり、…ということでの異色の土地ではあるんだけど。

 

西村:ああ…。

 

植村:『あゆみ』北九州公演の前にmola!のインタビューを受けた時、このツアーのことを「無茶だ」って色々言われてたのだけど、そのときも、沖縄のことは特に言われて。沖縄なんて「外国じゃないか!」と言われたんやけど(笑)。

 

前田:思いますよね。「海外」ですからね。

 

植村:でも、飛行機の値段も安くなって、(本州の遠いところへ行くより)旅費はむしろかからない可能性もあるくらいだし…。

 

西村:何か、沖縄というと遊びに行くところというイメージが強いから、沖縄公演行くんですって言うと、いいやん海やんと言われる。

 

植村:わーい!という気持ちは確かにある。

 

藤村:その気持ちで(このツアーを)乗り越えられるというか。

 

植村:今回、沖縄が最後の公演地だっていうのがいいよね。

 

藤村:(劇団としては)唯一行ったことのない土地だから、僕らも新鮮な気持ちでやれますもんね。

 

前田:そこで、島の物語をやるわけだもんね。

 

藤村:僕は、沖縄に行くのは10年ぶりなので。修学旅行でしか行ったことない。

 

前田:修学旅行良いとこ行ってんなあ(笑)。

 

植村:でも今回、公演するだけなら那覇を出ないので、あまり沖縄っぽいところ、ないよ(笑)。いや、那覇には那覇の良さがあるんだけど、海の要素があまりない。小屋入り期間中に午前中空いたし海に行こうとか思っても…、車あったら行けるだろうけどね。ゆいレールができてから那覇市内は公共交通機関で移動ができるようになったから(車を使わないでも済んじゃう)。

 

藤村:銘苅ベース周辺を調べとかないとですね。

 

植村:国際通りとかは行けるよ。那覇の観光は行けるけど、いわゆる「青い海」みたいなとこには行けない。

 

藤村:じゃあ場合によっては北九州で海を眺めておかないと、と。

 

西村:(藤村くんにとって)思い出の場所だもんね。

 

藤村:(前回の北九州公演の時には)深夜2時に海に行った…。でも、みんなが海に行ったのは(『あゆみ』の)東京公演の時ですよね。

 

西村:そうなんだ。

 

植村:舞台監督さんがどうしても海に行きたいって言い出して、みんなで、わざわざ車借りて行ってたよ。

 

藤村:僕は北九州で、深夜2時に一人で船着き場というか工場周りや入江を見に行くっていうことをしてた…。

 

西村:マジで?

 

前田:それは、一人になりたくなる感じ?知らない土地で芝居してたらリセットしたいというか。

 

藤村:良くも悪くも(ツアー先では)浮ついてしまうところがあるので。自分を落ち着かせるために。

 

前田:えーい遊ぶぜーって感じではなくて…?

 

藤村:ではないですね。知らないとこってだけで僕は好きなので、普通に裏道とか散策したり。北九州の海見に行って、枝光公園で軽く山登りして。

 

徳泉:え、どういうことですか?

 

前田:一人で?

 

藤村:一人です。丘の反対側に行きかけて危なかったです。

 

前田:危ないなこの人!

 

藤村:(スペースワールドの)ジェットコースターを目印にしてたら、枝光近くのホテルの陰になってちょうど隠れて見えなくなってしまって。ゲートボールをしていた方々に道を聞いて。もちろん集合には余裕を持って戻れました。

 

 

 

 

他地域からゲストを迎える

 

植村:今回の公演は、ツアーとして各地に行くということに加えて、(他地域から役者を)迎えるということがあるじゃないですか。3人。これも今回の企画が「無茶だ」と言われる所以で。でもね、(全国ツアーも俳優さんを他地域から迎えることも)本当に最初、私も渉平くんも、そんなに無茶だとは思ってなかったのだよね…。

 

前田:無茶だというのは進行する上で?それとも予算的な面で?

 

植村:両方かな。全部だと思う。

 

藤村:僕は割と無茶(だと思っていた)側でした。

 

植村:あ、本当…?

 

藤村:『パフ』は4年前に完成させた作品で。今回の再演では、地方から客演さん呼んで、稽古期間も1ヶ月ないじゃないですか。ていう普段との違いというか。今回も再演というよりリクリエーションと言っているので、大原さんも一から台本書き直してて。稽古が間に合うのか、遠方の客演さんと馴染んで、ほぼほぼ新作っていうものを1ヶ月の期間で作り上げられるのかっていう不安はあったんですけど。…プレ稽古やって良かったですね。

 

西村:本当にね。

 

藤村:あぁ大丈夫かなって思えました。

 

植村:大丈夫かなって思える顔ぶれだね。結果的にそうなったわけだけど。

 

藤村:大原さんも植村さんもそれぞれの役者さんたちをわかった上で呼んでいるわけですし、(でも僕たちは会ってなかったので、)知らない方とプレ稽古で知り合えたことは大きいですね。

 

植村:よその地域の人を呼んで京都に滞在してもらって作品を創る、という無茶は、私が参加する前から、劇団しようよはずっとやってたことだったから、そういうもんなのかなと思ってた。

 

西村:ああ。それは、そうでしたね。

 

植村:そういう、客演さんたちに滞在してもらうということと、1ヶ月で創るというところは、必然的にそうなったんだろうと思う。でもね、他地域の人がいるという状況でツアーを組むというのは…(思った以上に大変)。(ツアーの行程を考えている中で)誰がどこから来てどこに帰るのかというパズル具合が、私の中でも初体験で、わけわからんってなってます(笑)。

 

藤村:その都道府県の中でも遠い近いありますしね。北九州公演の時に九州の方は宿がいらないのかどうかとか。

 

植村:東京公演の時は、夏目さんは家に帰るのかな、とか。

 

藤村:(東京公演で一時解散になって)3週間あけて北九州公演の時に、誰がどこスタートなのかと。すべて終わって沖縄からどこに帰るのかと。

 

植村:北九州から沖縄への移動も、役者は全員一緒に行くんだけど、実際にはオペレーターさんが変わるので、実は座組み全員が一緒ではないんだよね。

 

徳泉:あと、何日間沖縄にいるんですか、とかですね(笑)。

 

植村:7月のプレ稽古後の飲み会で、公演後沖縄に延泊して遊ぼうという話が盛り上がってしまったからねえ。滞在中に海に行けないんじゃないか、延泊するしかないよと盛り上がってしまったの。だから、帰りの便は何日のを取ったらいいですかというアンケートをしなきゃいけない。本稽古の初日に、それを聞くよ、考えとけよということを、LINEグループに流しておこうと思ってる。

 

藤村:(チラシを見ながら)出演者のほぼ半分が遠方の方ですもんね。

 

西村:いろんな地域の人がいるのは、違う文脈で(演劇を)やって来てる人もいるから刺激がもらえて楽しいですよね。自分が(公演地に)行って違う文脈に触れるっていうのも良いけど、自分たちの輪の中に入って来てくれるというのもすごい楽しいなと思うので。

 

前田:やっぱ違うものですか、感覚として。他地域の人がいつもの稽古場に入って来るというのは。プレ稽古の感想とかでも良いんですけど。

 

西村:やっぱり、ぴっぴさん(森岡さん)も横山さんも、ちゃんとキャリアを持っている方だ、というのはもちろんあるんですが、稽古場でのいかたというのは違う感じがする。よく聞くのが、九州の人たちはボードゲームとかカードゲームをやったりしてコミュニケーションを取るって…。

 

前田:稽古場で?京都ではあんまりしないの?

 

西村:あまりやっていなんじゃないかと。

 

植村:稽古場でというのはあまりないよね。座組みの仲間でゲームをやったりするということはあるけども。

 

西村:あと。九州の俳優さんって、上下関係が、もちろんちゃんとしてるんですけど、垣根がないという感じがする。

 

植村:そうやね。(飛ぶ劇場の)泊さんとかも、京都で同世代の先輩方とはそんなに簡単に飲みに行ったりできないのだけど、泊さんには、北九州に行きますーと言えば、飲みに来てくれたりする…。私がよそ者だからできることなのかもしれないけど、勝手に気安さを感じてる(笑)。

 

西村:そういう環境があるという気がする。この前の『あゆみ』の時に、(京都での稽古の期間中に)葉山さんとたまたま二人で飲みに行く機会があって…。めちゃくちゃ緊張して行ったんですけど、先輩だとか気にしなくても良い感じで。

 

植村:まあ、はやまんは、ちょっと九州の人の中でも特殊な感じやけどね…(笑)。

 

前田:今回、夏目さんが入るのも楽しみやんね。

 

植村:夏目さんも緊張してはったよ、「若い人達のところに入って大丈夫なのか」って(笑)。まあ夏目さんも、いろいろなところの芝居に出てはる人やけどね。

 

前田:どんな風が入って来るのか想像つかないですね。

 

藤村:新しい人たちがいると、稽古場がアクティブになりますよね。

 

西村:知らない話が飛び交ったり。プライベートなことでも、京都に住んでるみんなの話だけじゃなく、知らない人達の名前が出て来て、それがどういう人たちなのか、話題が二倍三倍になります。

 

藤村:話題が絶えないですよね。それが、無駄な時間でもなく、みんなで賑やかな稽古場になるじゃないですか。

 

前田:そっか。楽しみですね。

 

 

ツアー先でどんな人と出会えるのか

 

植村:今回はまたツアー先でどんな人と出会えるのかというのも、あるよね。

 

徳泉:どういうお客さんが来るのかとか。

 

植村:北九州でも、この間の『あゆみ』は短かったから。ツアーに行ったら、その土地の人と一緒にご飯食べに行きましょうだったりとか、いうのがあるかもしれないけど、(この間は)そんな時間もあまりなかったし。今回はもうちょっと長いから、そういう機会もあるかもしれない。各地の演劇やってる方々とも、交流できたらいいね。

 

藤村:ツアーの楽しみの1つですよね。僕は今25歳なんですけど、これまで京都で出逢った人が、大学を卒業して、就職したり帰省したりで各地域に行ってるじゃないですか。そういう人たちと再会しやすくなる。この前の北九州行った時も、京都の学生劇団で知り合った人が、博多で結婚して生活しておられて、車で北九州まで観に来てくれたんです。

 

植村:そういうのが良いよね。

 

前田:素敵ですね。

 

藤村:東京だと、京都造形芸術大学時代の知り合いが就職したり事務所入っていたりしているので…。

 

前田:そういう人たちって、結構自発的に観に来てくれたりするの?

 

藤村:案内は送りますけどね。

 

西村:そういえば、『ドナドナ』の時に、地元の中学校時代の友達が東京にいて、連絡先も知らなくて案内も送れなかったんですけど、チラシで名前見つけたからって観に来てくれて。

 

前田:えーー!

 

植村:すごい!

 

徳泉:その方も演劇やってたんですか?

 

西村:ぜんぜん演劇関係ないの。

 

植村:でも公演をやってるって情報をゲットして来てくれたんだもんね。

 

西村:個展とかに行ったりしていたそうで、そこでチラシを見たみたいです。名前を見つけたから来たって。

 

徳泉:同姓同名の関係ない西村花織さんかもしれないのに、来るってすごい…。

 

西村:さすがに調べたんじゃないかな(笑)。

 

植村:そういう、各地域に住んでいる友達に観に来てもらいたいね。「劇団」として観てもらいたい、出会いたい人のことも考えるけど。改めて、そういう個々の友達をたくさん誘いたいなぁって思ったわ。

 

 

 

ツアーを通じての目標

 

植村:最後に、今回のツアーを通じての目標みたいなのを聞いておこうかな。

 

西村:…人と仲良くなる(笑)。

 

前田:それは座組みの中の話?

 

西村:行った先でも、中でも、ですね。

 

藤村:花織さんは元々みんなと仲良くなれるんだから、そんな目標ではダメですよ!

 

西村:えぇ?じゃあなんだろう…(考える)。

 

植村:じゃあ先、弘二くん言う?

 

藤村:変化していきたいですね。『パフ』は、僕が劇団しようよに関わりだして初めて出た舞台作品だったので。個人としての変化を、身内になのか、観てもらえる人全員、お客さん全員なのか分からないんですけど、変化を感じてもらえるように、もしくは自分が感じられたらなと。作品としても、リクリエーションと言ってますしそういう形でやっていくので、その中で自分個人も変わっていけたらなと思います。あとは現地の方と、関係者の方と仲良くなっていけたらなと。

 

前田:あ、花織さんのパクった!(笑)

 

西村:私は、楽に楽しくやりたい。楽って言うとサボってるみたいに聞こえちゃうかもしれないんですけど、自分の思うことに正直になって、丁寧にできたらしんどくないと思うし。あといろんなところに行って公演するというのが本当にやりたいなあと思ってたことだったので。『ドナドナ』以降ツアーには参加してなかったので、せっかくのこの機会に自分が一番楽しんでる状態の演技をやりたい。

 

植村:「ツアーの楽しみ」を劇団しようよのみんなに知ってほしい。これは、最初から私、思ってたな。…いや、絶対しんどいよ、しんどいと思うよ(笑)。でも、しんどいからこそ楽しまなきゃやっていけないというか、続けていけないなあというのがあって。せっかく行くんだし、楽しんでほしい。それは、期間中に遊びに行く時間がとれるということでも、向こうの人とご飯に行って楽しかったとかいうのでもいいし。そういうのがあれば、作品自体も楽しんで上演できると思うので。

 

藤村:4都市回るのも初めてですし、リクリエーションとは言ってますけど、過去作と同じタイトルの作品をやるわけでどうしても比べられるでしょうし、良くしなきゃと気負いがちじゃないですか。

 

西村:プレッシャーはあるよね。

 

植村:『パフ』を楽しみしてくれている人も絶対いるからね。

 

藤村:楽しむしかないですよね。

 

西村:自己満足にならない楽しみ方をしっかりしていきたいですね。

 

植村:トクミン(徳泉)は、どう?

 

徳泉:僕は、東京公演会場の北千住BUoYがどんな感じになるのかすごい楽しみです。東京公演の会場選びをしている時、ミーティングで北千住BUoYの名前が出て、その週末たまたま僕が東京に行く用事があって現地を見て。帰って来てから問い合わせをしたら、ちょうど僕らが公演をしようとしてる週が空いていて。運命を感じましたね。

 

植村:ご縁だったよね。

 

徳泉:新しい劇場ですし、どういうお客さんが来るのかまだ分からない。偶然にも「リノベーション施設」ですし。

 

植村:そう。今回、KAIKAとBUoYとアイアンシアターと銘苅ベース、いずれも、もともと劇場として建てられた建物ではない場所で

の公演なので、私は勝手に「リノベーション施設ツアー」と呼んでるんですけども。

 

前田:銘苅ベースもそうなんですね。

 

植村:(銘苅ベースは)中は割とちゃんとブラックボックスに作られているけど。昨年12月に下見がてら行った時は、まだ二階は何にもできてなかったのだけど、私らが行く頃には、宿泊できる部屋が出来たよって連絡があった。特に、BUoYと銘苅ベースが昨年できたばかりの新しい場所で、どんどん進行形の劇場。…あ、そういえば、アイアンシアターも手を入れてるってSNSで見たな。綺麗になってるかもしれない。

 

西村:会場もリクリエーションされていってますね。

 

徳泉:BUoYは、元々お風呂屋さんだったところで。パイプとかお風呂場スペースが残されている。

 

植村:広さ的にも一番広くて、色々な使い方ができそうな場所だから、BUoYはどう使おうかと、考え中ですね。

 

藤村:使い方が自由な劇場ツアーでもありますね。

 

徳泉:じゃあ、最後…(と前田を促す)。

 

前田:…え、最後、私?私はツアーについていかない人だからなぁ…。頑張ってサポートします(笑)。

 

一同:よろしくお願いします!